子育て-初めの三年間を大切に!その二

子供を美しく育てる

明るい暖色系のヒラヒラの花弁をつけるポピーは、春の太陽の子供のように、無邪気にはしゃぎまわって風と遊びます。そして、品の良い甘い香りを放ちながら、すっく!と真っ直ぐ伸びる気高いストックは貴婦人の姿に似ていますね。

似ているようで、似ていないこの美しい二つの花たちをイメージしてみてください。どちらがどちらに勝るとも劣らない素敵な花ですね。しかし、各々に特徴があり明らかな違いがあるのは一目瞭然です。

ところが、この花たちは、双方共々スタートはそれほど違いはありません。やがて、小さな双葉をつけている時にも、ほとんど違いはありません。でも、葉数が増えてくると違いが現れ始めます。特異性がはっきりしてくるのですね。

そうなのです。各々のDNAに従って、苗は必ず決められた花になっていきます。成長して花を咲かせる近くになる頃には、その異なり方が明確になっています。

子育てについて考えると、この点で助けになる思考が出来ますね。子供も同じです。まだ小さ過ぎる苗のような赤ちゃんの頃には・・・どんな花を咲かせるか(いわば成人になること)が、分からないということです。

人間の場合も、確かに、DNAの影響は否定できません。但し、子供が花苗と大きく違うのは、DNAだけ!に頼ってはいない!ことを承知していたいものですね。親の育て方や姿勢によっては、どんな大人にでもなり得る可能性は、かなり高いはずですから。

そこで、親として幼子のための「目標」を持つのは善いことでしょう。例えて言うなら、子供は一本の矢であり、親である貴女は矢を放つ人です。しかし、貴重な一本の矢を当てもなく放つのではなく、射るべき的(目標)を決めておくことですね。親が、その的を決める際に、どんな注意点を知っておくと助けになるでしょうか?

親が、お子さんの将来の職業や社会的地位を決めることは、当然出来ません。中には、その子の素質を三歳前から見抜いて、的を決めて、それに対して矢を放つように訓練を行う親もいらっしゃいますね。そして、上手く行く人、あまり上手く行かない人など様々ですが、子供の素質を見抜く親の特別な能力には感銘を受けますね。

しかし、多くの親に出来そうな・・・目標となる的を決める方法があります。それは、自分の子供に、どんな優れた特質や人格を持つ大人になって欲しいか?を、願いのうちに決めて目標に出来ると言うことです。これは、容易いようで非常に難しくもあります。親の側の客観的な観察力や洞察力などが要求されるからですね。

でも、その努力と根気は高く評価されてしかるべきだと思いますね。なぜならば、人間の優れたパーソナリティは生涯にわたる貴重な財産だからです。これなくして、人が人として最も美しい人生を送ることが出来ません。この財産は朽ちることもなく、売買できるような安っぽいものではありません。地球上において我が子は大切な財産となり得る、と親が豪語したとしても決して大袈裟なものではありませんね。

では、どんな優れた人格特性を持つ大人になってもらいたいと思っているでしょうか。穏やかで優しい思いやりのある大人ですか?愉快で楽観的で積極的な大人でしょうか?聡明で賢く気遣いの出来る大人ですか?これで、矢を放つ前に目標となる的は、決まるのではないでしょうか。

幼児は、何でも見たり聞いたりしたものから学び取ります。ですから、どんな的を決めたとしても、親は自分で決めた的になったつもりで、そのような模範を示せます。そんな親の姿勢や努力を、お子さんに見せたり話したりしたいものですね。優れた特質を生活の中で行なって子供の頭や心に吸収させることが出来る訳です。

脳の中の本能を包み込む大脳皮質という、人間だけの大切な精神作用の分野を厚くしていくようにして道徳を身に付けさせることもできます。そして、脳の側頭葉部分にある「共感」をつかさどる所を沢山刺激しましょう。美しいものや素晴らしいものに対して、幼児に話しかけて一緒に感動し、口に出したりしながら言い表すのです。子供の気持にも共感するのです。人間がもっとも人間らしくあり、本能のままに反応する動物とは異なる特質は、こうして形成されていくそうです。

花や木等の植物は、声をかけてあげたり美しい音楽を流してあげると、成長ホルモンらしきものが活発に促されて、成長が良くなると言う実験結果があるようです。子供たちにも貴女の良い模範として、言行両面で愛や親切や同情心そして「理性」を教え、お子さんの大脳皮質に厚みをつけましょう。親としての良心の範囲内で人間だけにある貴重な「理性」と生来の「本能」の”バランス”のとれている生き方を示してあげたいものですね。他者を傷つけてもやりたいことをやるだけ、と言うような人の道から外れた獣的な生き方は穢れています。ですから、正しく生きるための「理性」と過度の自責の念から解き放つ程度の「本能」との”バランス”を親の手本から学習する必要があります。

なにしろ巷では、幸福になる秘訣として・・・善悪などない!と論じた挙句に、全ての理性から解放されることを説き薦める書物が多く出版されています。これは、とりもなおさず野生動物的な「本能」優先を良しとする傾向の強い一時的な説の流行です。将来、お子さんが、根幹部が脆弱な上に我儘な大人として、成長して欲しくないならば、気をつけましょうね。

もう一つ、決して忘れてならないのは子供の努力に対する”褒め言葉”です。これは、とても簡単な子育ての重要な鍵ですが、意外と見落としがちですね。概、これらの要点を心に留めておいて子育てに励めば、大きな失敗はないでしょう。

そして、三歳頃になると自我が芽生え、本能的に強い利己心が出てきても、動揺しないようにしたいですね。たとえ生意気さんになってもお子さんと言い争う必要はなさそうです。子供は子供なのですから。親が短気になり、親の責任を放棄するネグレクト(虐待の一つ)や言葉による暴力で心理的虐待をしないように用心したいものですね。虐待が騒がれている昨今、母親は育児に疲れたと気が付く前に、定期的に時間を上手に取って休息することも必要です。

お子さんが眠っている時をリラクゼーションの時間にしたりできます。家事は後回しでいいのです。むしろ、洗濯や掃除などの家事は、お子さんと共に楽しい遊びとなるように創意工夫して行なうことは、貴女との連帯感が生まれて、絆を深める機会となります。さらには、それを通して、働くことの喜びをも小さな胸に焼きつかせることが出来るのです。

ガーデナーが、「時間と心と体力」の余裕があってこそ、草花の世話を楽しめるのと同じように、親もこれら三つの余裕を持って育児を楽しめるようにしたいですね。なぜならば、二度と戻らない幼い子供との育児の時間は、貴女自身の人生と重なって、同時に流れていくのです。どちらにとっても、親密に楽しく過ごせる限られた人生の時間なのです。やがて、子供は的に近づき、大人になり、貴女を離れて旅立っていくでしょう!

その時、花がその種子を飛ばすように、親は歓喜溢れる報いの中で誇らしく感じることでしょう!ですから、誕生後のお子さんとの時間である初めの三年間を大切にしましょう。

(written by 徳川悠未)

あなたのすぐ傍らで可愛い花が、何かを告げています。
ざわめきの止まない心を、そっと鎮めて・・・心の耳を傾けてみませんか!
彼女達が人々へ伝えたいと願っている温かく優しい言葉を聴きましょう!
煌く予感が溢れる今日と言う毎日を、日々年々重ねるために、必要な実際的な知恵の力を注ぎ込んでくれるかもしれません。 by 徳川悠未

I'll give you flower's message.

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