切り戻されて強い人格を!

逆境に強く美しく

ナデシコ、ペチュニア、パンジーなどの類の花を大きく見事に育てて満開を楽しめるのは嬉しいことです。でも、全く同じ時に植え、同じ環境に置き、同じ時に咲き始めたはずなのに・・・隣のものはビローンと伸びきって弛み醜くなってしまい、花数も少なくなっています。どうして、そのようなことが起きるのでしょうか?

その理由は、バッサリ!バチバチ!と切る筈の床屋さんのようなガーデナーによって、切られなかったからなのです。

盛んな時期に、花や木の上部だけを切り断つ作業のことを、一般に「切り戻し」と呼びます。この作業を知らない人が、ガーデナーを見た時には、花に対して無残な仕打ちをやっている嫌味な人・・・として、映るかも知れませんね。確かに花にとっても、その華やかさが消えてしまうのですから、その時点では、逆境に相当するかもしれません。

でも、その作業を終えると、やがて切り取られた場所の少し下から、二倍三倍もの新芽が出てきて、やがて大株になり小さく弱々しかった花苗が大変身を遂げるのです。

これを花サイドに立って感情移入して考えると、興味深いでしょう。ようやく出した花芽が切り取られるのですから、花にとっては異常な事態、花人生のボトム期とでも言いましょうか、辛く悲しい時となるはずです。

ところが、この残酷そうな作業が、実はその後、花の再起と復活になって行きます。しかも、前以上に強く、逞しく、より美しく、変容できるのです。「切り戻し」は新しい良い芽を増やして勢いの良い花数を生かすために、それまで・・・ずるずると伸びてきている芽を、パチンッ!と摘み取る大切な作業なのですね。

ですから、花にとって、なんとボトムの瞬間から、最盛期のピークに到るための大革命になるのです。美しく優しい花が逆境を乗り越え、強くなって立ち上がり見事に生き返る瞬間が始まるのですね。

では、花のように美しい女性の皆さん、こんな花から何を学べますか。そう、人間の人生に起きて来る必要な「切り戻し」を、どーん!と受け止めて、より強靭な人格を持つ女性になりませんか?

この「切り戻し」は、もしかしたら、順境の最中にいる貴女の人生の途上で突然降って来る逆境や災難のことと考えて見てください。例えば、失業、病気、事故、失恋、裏切り、人の死など・・・願いたくない語彙ですが、列挙してみて下さい。人生のボトム期です。

それまで、順境であればあるだけに襲ってくる逆境で、挫折や絶望のために打ちのめされそうになるかもしれませんが・・そのボトムの時こそが、成長期ですね。泣き寝入りして、それで終わるのではなく、花のように底力を発揮し、幸福をピークにするチャンスなのです。訪れる試練を従容のうちに甘受して置き、やがて二倍も三倍も強くなって新しい芽を出したいものですね。

一年後二年後には「切り戻し」される前より、人生の「花の多い」見事な人格を咲かせている事でしょう。

逆境と言う「切り戻し」の回数が多ければ多いほど、より強靭な人格を持つ女性になっていくものです。そして、それを美しく乗り切った女性は益々輝きを増し、傍からも凛として逞しく見える傾向があります。

しかし、或る人は、激しいどん底のような経験をすることもなく順風満帆な人生を送ってきたかもしれないですね。それなのに、何故?敢えて明るい人生の途上で、欲しくもない苦労を買う必要があるのか、と疑問が湧いて来るかもしれませんね。確かにそうですね。

しかし、順境に過ごしている時節にこそ、万が一に備えて自分自身を訓練して置きたいものです。人間世界に変動はつき物ですからね。いつ、戦争や災害に巻き込まれるか?誰も予測不能です。

では、そういう女性には、役に立つ簡単な方法があります。それは、読書です。

読書によって、試練や逆境を「疑似体験して置こう!」ということですね。この場合に役立つ本は、ハウツーものではなく、特に小説や物語です。

日本では、古人による哲学は進歩せず浸透しなかったせいで、最近になってやっとでしょうか・・・海外から輸入したかのような人生哲学や成功法、ハウツーものが多く出回っていますね。店頭に並ぶのもそのようなものですから、なかなか適当な小説や物語は見つけにくいかも知れません。

しかし、小説や物語は、読者に対して人生を幾つも「疑似体験」させる効果があるのです。未経験の若者でも名作と言われる本を沢山読むことで、多くの登場人物の人生に生じる逆境時の心模様や反応と乗り越える時の情況などを学べますし、語彙も確実に増えます。それに、自分で・・・なぜ、この主人公はこうするのだろうか?相手の人が、そうするのはなぜか?・・・など、様々な特質を持つ人間が存在する事実を弁えられます。イメージする脳も発達するようですね。単に、こうすると成功します!のような脳をフル回転させ憎い本とは異なります。

語彙の豊富さについては、なにも教養の有無を人に知らせるものにあるのではありませんね。しかし、語彙が豊富であれば、思考の過程で引き出したい糧がより多くあるので、広く考えることが出来る、という利点があるのも真実です。豊富な人ほど、参考できる資料が多い、ということですね。それを、思考のための機動力にしたいものです。

ところで、本を読む時には、著者について・・・どんな専門家、エキスパートでも限界のある同じ人間であることを脳裏に焼き付けておくのは良い事です。ですから、50パーセント以上は鵜呑みにするべきではありませんね。むしろ自ら考えて『私に合わせた独自の個人哲学を産み出せるぞ』ぐらいの対峙の仕方で読むことですね。人は十人十色、それぞれの人生が「オーダーメイド」なのです。要点をピックアップして自分に適用したり、排除したりの作業を頭の中で盛んに行う習慣を作りましょう。さらに、自分のキャパシティを拡大したい方は同じ分野の本に偏らないで、様々な本を読んでみましょう。文学の本から、天文学や科学雑誌、歴史書や中国思想関連、健康やビジネス本にいたるまで、その幅はとても広いのです。そのようにして、月に最低でも30冊ぐらいの読書をお奨めします。また、特にお奨めしたいのが国語や英和辞典です。あ行やAからはじまる辞典そのものを読むのは、思いがけない多くの世界が開拓できて知識が得られます。

余り、読書は苦手で・・と言う方には、たった一冊で数千冊以上の本を読んだことに匹敵すると言われる聖書という世界のベストセラーの聖典が良いですね。大昔から現代に至るまでの人の生き方と成功、幸福の秘訣など他分野にわたります。すぐに廃れてしまうような現代の本とは価値が違い過ぎますね。時流、批評など、数々の試練に耐えてきた本です。一つの区切りの部分を熟考すると、世の中の本の一冊分を読破したことになるそうですよ。勿論、読者自身のパラダイムの違いにより受ける益も大いに異なってきますが、熟考する時間の長さに応じてのメリットであることには相違ないでしょう。聖書と他の本をバランスよくして読書の習慣を身に付ければ、貴女の人生は内側の人格から、賢く豊かに美しく輝くでしょう。

それにしても、絶対に忘れてならないのが、本の選択です。良本悪本数限りなく存在しますね。貴女は本当のところ、著者の真意や目的や動機を洞察できておられますか?結局は多くの金銭目的と名声を得たいだけであることを覚えておきましょうね。その上で、さらに儲け主義の本やいかがわしいもの、悪影響を与えそうなものは選ばないことですね。前評判を入手し、目次などを自分で開き、調査してからにしましょう。

こうした点をチェックし、読書をして「疑似体験」をして置くと、じたばたして焦ったり、パニックに陥ることもなく安定していられます。死に直面している訳ではない以上、それは、大した問題でもトラブルでも災いでもないのですから。ボトム期をさらっと身構えることもなく、意識するでもなく、あっさり歓迎さえ出来るかもしれません。

では、どんな女性も・・・恐れずに雄々しく「切り戻し」を甘受してみましょう。甘受です。そうすれば、やがて経験を経て、貴女という「人格の花」は大株で満開になっているに違いありません。外的な出来事には右往左往しないで済むことでしょう。それ故に、他者にも思いやりや感情移入の出来る内側も外側もバランスのとれたオールマイティの強く安定した美しい女性に完成されるのです。美しく逞しい、しなやかな花のように!

あなたのすぐ傍らで可愛い花が、何かを告げています。
ざわめきの止まない心を、そっと鎮めて・・・心の耳を傾けてみませんか!
彼女達が人々へ伝えたいと願っている温かく優しい言葉を聴きましょう!
煌く予感が溢れる今日と言う毎日を、日々年々重ねるために、必要な実際的な知恵の力を注ぎ込んでくれるかもしれません。 by 徳川悠未

I'll give you flower's message.

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